2025/01/31 10:00
【受賞報告】中小機構FASTAR 10期生として「ANAホールディングス賞」を受賞いたしました。
はじめに
2025年1月31日、中小機構のアクセラレーションプログラム「FASTAR」のDEMO DAYにて、弊社株式会社フィールドワーカーズが「ANAホールディングス賞」を受賞いたしました。この度は、このような栄誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。
FASTAR 10期生としての挑戦
長崎大学熱帯医学研究所発の唯一の大学発ベンチャーとして2022年に創業した弊社は、FASTAR 10期生として1年間のプログラムに参加してまいりました。専門家の先生方に1年間、みっちりと伴走していただき、「蚊で蚊を殺す」という革新的な事業の集大成となる発表を行うことができました。
取り組む社会課題:世界で最も危険な生物「蚊」
蚊は年間3億人に感染症をもたらし、70万人を死に至らしめる「世界で最も多くの人を殺す生物」とされています。蚊が媒介する感染症の流行地では、各国が多額の国家予算を対策に投入しているという深刻な課題があります。
弊社が注目しているのは「蚊で蚊を殺す」という革新的な手法です。不妊化したオスの蚊を大量に放つことで、交尾したメスの卵が孵化せず、継続的な散布によって地域から蚊を駆逐し、感染症のリスクを低減できるという技術です。
弊社の技術的優位性
この手法は、遺伝子改変などのディープテックを用いることなく、堅実に課題をクリアできる点が特徴です。日本国内において他の害虫対策に成功した実績もあり、実用性の高い技術と言えます。
弊社の得意とする「大量の蚊を効率的に飼育する技術」に優位性があり、特に以下の技術的な強みを持っています:
- 蚊の蛹(オニボウフラ)の精密な仕分け技術
- 人工吸血の大量実施技術
これらの技術により、将来的な資金調達を通じて蚊の育成装置を拡大し、大規模量産体制を目指しています。
市場規模と将来展望
この分野の市場は、2021年時点で100億円前後、2030年には1,000億円超えが見込まれる成長市場です。
ANAホールディングス賞受賞の意義
DEMO DAYでは、ANAホールディングスの津田氏より貴重なコメントをいただきました。
「まず、蚊へのパッションがすごい(笑)。ANAも、欧米だけでなくアジアのディべロッピングなところへの就航路線が増えてきました。蚊の問題は、渡航者の現地感染リスクのほか、飛行機に蚊を持ち込んで病原菌として日本に入る可能性もあり、エアラインとしても課題となっていますので、期待しています」
この言葉は、弊社の事業が航空業界の課題解決にも貢献できる可能性を示唆しており、大変励みになります。弊社としても「国際線から日本に入ってくるリスクを踏まえると、蚊の問題は、アジア全体のプロテクションを日本から先導してやっていくことがまず必要」と考えており、国際的な視野での事業展開を目指しています。
今後の展望
今回の受賞は、弊社にとって大きな節目となりました。長崎大学熱帯医学研究所発の唯一の大学発ベンチャーとして、引き続き事業に邁進してまいります。各国での採用拡大を図り、世界的な蚊媒介感染症の撲滅に貢献していく所存です。
おわりに
この度の「ANAホールディングス賞」受賞は、FASTAR 10期生として1年間ご指導いただいた専門家の先生方、中小機構の皆様、そして弊社の事業を支えてくださる全ての関係者の皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。
今後とも、革新的な技術で世界の健康課題解決に貢献してまいりますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。
株式会社フィールドワーカーズ
代表取締役 星友矩